障害福祉事業に役立つ助成金・補助金②

コラム

障害福祉事業を始めるにあたって、気になるのはやはり資金面ではないでしょうか?

資金調達の方法はいくつもありますが、その中でも有効的なのが行政、独立行政法人、公益財団法人等、様々な機関から助成金や補助金が受けられるサポート制度を利用することです。

ここでは障害福祉事業を始めるにあたって利用できる、補助金や助成金について、詳しく解説します。

物件選びの基準になる家賃補助に関わる制度もあるので、チェックしておくと今後の事業運営にも役立ちますのでぜひチェックしてみてください。

(R5.9.1現在のリサーチ情報)

法人の助成金・補助金について 

《障害者作業施設設置等助成金》

実施法人:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

対象事業主:障害者を労働者として雇い入れるか継続して雇用する事業所の事業主

障害者が障害を克服し作業を容易に行うことができるよう配慮、改造等がなされた設備の設置・整備を行う事業所の事業主。

条件:施設等の設置・整備を行わなければ、支給対象障害者の雇入れ、または雇用の継続が困難と認められる事業所の事業主に限る。

助成対象費:「作業施設」、「附帯施設」および「作業設備」の3種類

◆第1種作業施設設置等助成金(設置・整備)

支給対象障害者1人につき 450 万円

・作業設備については支給対象障害者1人につき 150 万円
中途障害者に係る職場復帰のための設備の設置または整備にあっては、450 万円を超えない範囲で機構が納める額。

・短時間労働者(重度身体障害者、重度知的障害者または精神障害者を除く。)である場合の限度額は1人につき上記の半額

同一事業所あたり同一年度について 4,500 万円を限度とする

◆第2種作業施設設置等助成金(賃借) 支給期間3年間
支給対象障害者1人につき月 13 万円
・作業設備については支給対象障害者1人につき月5万円(中途障害者に係る職場復帰のための設備の賃借による設置にあっては、13 万円を超えない範囲で機構が定める額)
・短時間労働者(重度身体障害者、重度知的障害者または精神障害者を除く。)である場合の限度額は1人につき上記の半額
①②どちらも、対象費用の2/3の金額もしくは、上記の支給限度額のいずれか低い額が助成される。

 

《障害者福祉施設設置等助成金》

実施法人:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

対象事業主:

(1)支給対象障害者の福祉の増進を図るための福祉施設の設置(賃借による設置を除く。)または整備を行う事業主等

(2)認定申請日以前1年間に、障害者を事業主都合(雇用保険法施行規則第 36 条の理由)により解雇しておらず、障害者の雇用の安定について努力していると認められる事業主等

条件:事業主団体の場合は構成事業主すべてがこの要件を満たしていること

助成対象費:支給対象となる福祉施設等は、福祉施設等の設置または整備を行うことにより、支給対象障害者の福祉の増進を図る上で、障害特性による課題に対する配慮の措置が申請対象となっていることが確認でき、支給対象事業主等自らが所有する、次のものを指す。

1.保健施設(保健室、洗面所、休憩室)
2.給食施設(食堂)
3.その他、これらに類するものの用に供する建物1~3までに該当する施4.設に附帯し、当該施設の利用を容易にするために配慮された玄関、廊  下、階段、トイレ等の施設

5.支給対象障害者の福祉の増進を図るために必要となる1~4までに該当する施設の付属設備

助成額:対象障害者につき1人225万円

短時間労働者(重度身体障害、重度知的障害、精神障害を除く。)である場合の限度額は1人につき上記の半額

同一事業所または同一事業主の団体につき同一年度当たり2,250万円を限度とする

対象費用の1/3の金額もしくは、上記の支給限度額のいずれか低い額が助成される。

《重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金》

実施法人:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

対象事業主:重度身体障害者、知的障害者または精神障害者を労働者として多数継続して雇用し、かつ、安定した雇用を継続することができると認められる事業主で、これらの障害者のために事業の用に供する施設・設備(事業設備等)の設置または整備を行う事業所の事業主

条件:次のいずれにも該当する事業所の事業主。

  1. 支給対象障害者を 10 人以上継続して雇用していること
  2. 現に雇用している労働者数のうちに占める支給対象障害者の割合が10分の2以上
  3. 支給対象事業施設等の設置(賃借による設置を除く)または整備(支給対象障害者の雇用に適当であると認められる設置または整備に限る) を行う事業所

「継続して雇用している」とは、認定申請の日の時点で1年を超えて雇用していること

助成対象費:給対象となる事業施設等は、支給対象障害者の雇用に適当であると認められるものであって、支給対象事業主自らが所有するもの

  1. 作業施設:労働者が作業を行う施設
  2. 管理移設:事業を管理するための施設。1と併設されるものに限る。
  3. 福祉施設:労働者優拓、保健施設、給食施設、職業訓練移設。1と併設されるものに限る。
  4. 設備: 作業施設、管理施設、福祉施設の目的を達成するための設備または備品

助成額:5,000 万円(特例は1億円)

ただし、この助成金、従前の施設改善助成金、第2種重度障害者施設設置等(設備更新)助成金、平成 23 年3月 31 日以前の第2種重度障害者施設設置等助成金の総支給額と合算して1億円が限度

対象費用の2/3(特例3/4)の金額もしくは、上記の支給限度額のいずれか低い額が助成される。

《WAM助成》

実施法人 :独立行政法人福祉医療機構

対象事業主:・NPO法人(特定非営利活動法人)・社会福祉法人・医療法人・公益法人(公益社団法人又は公益財団法人)・一般法人(法人税法上の非営利法人の要件を満たす[助成対象となる事業の実施期間中に移行するものを含む。]一般社団法人又は一般財団法人)・その他社会福祉の振興に寄与する事業を行う法人・団体

条件:

①地域連携活動支援事業

地域の多様な社会資源を活用し、複数の団体が連携やネットワーク化を図り、社会福祉諸制度の対象外のニーズ、その他地域の様々な福祉のニーズに対応した地域に密着した事業(同一都道府県内)

②全国的・広域的ネットワーク活動支援事業

全国又は広域的な普及・充実等を図るため、複数の団体が連携やネットワーク化を図り、相互にノウハウを共有し、社会福祉の振興に資する創意工夫ある事業又は社会福祉施策等を補完若しくは充実させる事業

助成対象費:謝金・旅費・賃金・家賃・光熱水費・備品購入費・消耗品費(燃料費、食材費、会議費含む)・借料損料(会場借料含む)・印刷製本費・通信運搬費・委託費・雑役務費・保険料

助成額:①地域連携活動支援事業:50万円~700万円

②全国的・広域的ネットワーク活動支援事業:50万円~900万円

《福祉住宅・福祉小規模集合住宅 バリアフリー建築助成》

実施法人 :公益財団法人ノーマライゼーション住宅財団

対象事業主:高齢者や障害者が安心して暮らせる住宅、また将来身体機能が低下しても安心して生活できる住宅として新築やリフォームした建築主

新築(バリアフリーにした物件)やリフォーム(住宅内外の手すり・スロープ・トイレ・浴室等)の住宅改善・改修した建築主 福祉小規模集合住宅:グループホームや高齢者向けアパートなど(10名程度居住)の建築主

条件:原則として2022年12月以降に工事が完成した物件

助成対象費:階段昇降機、段差解消機、各種スロープ、スマートトイレ、まいせるふ

助成額:最高30万円まで(総額300万円の範囲内)

《社会福祉法人助成事業、NPO法人助成事業》

実施法人 :社会福祉法人清水基金

対象事業主:障害児・者福祉の増進を目的として運営されている全国の社会福祉法人及びNPO法人

条件:

  • 助成決定後、当基金との助成金交付契約締結後に事業着手し、原則として機器・車輌は2019年9月迄に納入、建物は同年12月迄に完成できる案件
  • 原則として1法人1件(総費用が税込70万円以上3,500万円未満の案件)
  • 設立以降申請時まで、所轄庁から行政処分を受けたことがないこと

80万~5000万(社会福祉法人)、50万円~700万円(NPO法人)

助成対象費:利用者のために必要な機器・車輌・建物(新築、改修、増改築)等

  • 機器:医療機器は対象外とする
  • 建物:改修・増改築については対象外になるケースもある

※修繕・メンテナンス工事(屋上防水・外壁塗装等)、防災設備(自家発電装置・スプリンクラー・火災報知器等)、防犯設備、ソーラーシステム、浄化槽設備、耐震補強、舗装工事、井戸整備 等は対象外とする

助成額:80万~5000万(社会福祉法人)、50万円~700万円(NPO法人)

JEED:https://www.jeed.go.jp/disability/subsidy/shisetsu_joseikin/q2k4vk000001wqqn-att/q2k4vk000001zfan.pdf

WAM:https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/wamjyosei_Pamphlet2022.pdf
https://www.abilities.jp/fukushi_kaigo_kiki/use/seido/hojokin?query=&hojikin_todoufuken%5B13%5D=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD&submitform=%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E9%87%91%E6%A4%9C%E7%B4%A2

《まとめ》

事業を始めるにあたり先立つものはやはり資金です。

良い物件を確保するためにも、少しでも受けられる補助金制度は活用しながら資金に余裕を持って進めて行くことが大切です。

時間と労力はかかりますが、しっかりと事前に相談を行い、申請対象の要件等をご自身の状況にあわせて確認

して進めることで、スムーズに申請を行うことができます。

 

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